各種ドキュメントのデザイン統一化を実現した
大和アセットマネジメント様
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大和証券グループの一員であり、投資信託のリーディングカンパニーである大和アセットマネジメント様(受託当時は大和証券投資信託委託株式会社)。顧客コミュニケーションの重要なツールである各種ドキュメントは、それまで決まったデザインルールやフォーマットがなく、担当者様ごとにつくられるドキュメント類は、ブランドとしての統一感を欠いたものでした。店頭のラックに並んだときにも他社資料との差別化がなされておらず、ブランドとしての価値を高めるためにもツールデザインの統一が課題でした。
トッパンは、大和アセットマネジメントのドキュメントとしてあるべき姿を明確化したうえで、制作実務レベルでの使い勝手について調査・分析。大和アセットマネジメント「らしい」ドキュメントのデザイン開発を行い、デザインマネジメント構築からガイドライン策定まで支援しました。
ドキュメントの現状と制作実態把握のため各種調査からスタート。
ドキュメントを見直すにあたり掲げたミッションは、各種ドキュメントを通して統一されたブランドイメージを発信、醸成すること。そして、デザイン品質の向上によって信頼感・ブランドイメージの向上を図り、他社資料と差別化を図ることでした。
そのために、まず現状のドキュメントを把握し、どのような課題があるのか、改善すべき点は何かを洗い出すことからスタート。ドキュメントの種類や使用状況、制作実態、他社ドキュメントを調査・分析しました。
実際のドキュメント制作作業を見せていただきながら、感じている課題や使い勝手、今後も維持したい点などもヒアリング。制作工程における課題や改善点も丁寧に洗い出していきました。
あわせて、ドキュメントを実際に制作する部門、使用する部門にご参加いただき、大和アセットマネジメントのドキュメントが目指すイメージを策定。従業員にアンケートを行った後、代表者によるミニワークショップを実施。対話を重ねてブランドが目指すべき方向性とドキュメントデザインのコンセプトを策定していきました。
ブランド観を表現するグラフィックエレメントを開発し、
ドキュメントテンプレートへ展開。
次にコンセプトをもとに、各種資料に共通のイメージを持たせる役割を担うグラフィックエレメントを開発。さらにドキュメントデザインを構成するカラーパレットや使用書体、余白サイズなどについても、美しさ、読みやすさ、大和アセットマネジメントらしさについて検討、意見交換しながら細かく規定していきました。
例えば、カラーパレットを決める際には、複数のバリエーションを出してディスカッションを行いました。配色によるイメージだけでなく、さまざまな色覚の方の見やすさに配慮したカラー展開となるよう検討を重ねました。
そして私たちにとっても挑戦となったのが、パワーポイントを使用したドキュメントテンプレートの開発でした。金融業界では情報の即時性が求められます。そのため、大和アセットマネジメント様では、金融レポートの作成者がパワーポイントでドキュメントのデザイン制作まで行っていました。パワーポイントという制作環境は変えずに、制作者が異なってもこのテンプレートでドキュメントを作成すれば、大和アセットマネジメントらしく読みやすいドキュメントに仕上げることができる、そんなテンプレートを目指しました。
実際に使ってみていただいてはフィードバックを受ける検証を繰り返し、ドキュメントの種類ごとに適切なガイドやテキストボックス、図表などの素材が配置されたテンプレートを開発していきました。
「DAMドキュメントスタイルガイドライン」としてまとめ、
勉強会でフォローアップ。
開発項目やドキュメントテンプレートの詳細についてガイドラインにまとめました。
「DAMドキュメントスタイルガイドライン」では、開発したデザインエレメントについての紹介、カラーパレットや使用書体などのトーン&マナー、テンプレートの種類、使用方法などを説明。ちょっとしたテクニックなども記載し、より実践的な内容に編集しています。
またドキュメントの制作者に向けた勉強会も実施。文書レイアウトの基本や、新しく開発したドキュメントスタイルの紹介、テンプレートの使用方法の解説、実践演習などを行い、理解促進、デザイン品質の向上を図りました。
お客様と二人三脚で、実務を通して展開できるブランディングを実現。
金融業界の中でも、大和アセットマネジメント様のように全ドキュメントツールを通してブランドイメージを統一されている企業は多くはありません。当プロジェクトによって、ドキュメントが店頭に並んだ際に、また代理店様が顧客へご案内する際に、大和アセットマネジメントとして一貫したイメージを発信し、それが信頼につながっていくことを願っています。
トッパンではVI開発、ツールブランディングのお手伝いをさせていただきました。お客様と二人三脚でブランドの構築から実務レベルへの展開まで深く検討、追求させていただいた事例です。