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日本生活協同組合連合会 様 インタビュー

信頼を"見える化"する——CO・OP商品、パッケージデザイン10年の歩み

日本生活協同組合連合会様_対談写真_メイン

情報の一元管理が叶える
約4900品の
デザインクオリティ

2015年にCO・OP商品パッケージデザイン制作体制を一新し、ブランド価値向上とクオリティの維持・強化を実現した日本生活協同組合連合会様。10年に及ぶTOPPANとのパートナーシップとデザインクオリティの向上について、日本生活協同組合連合会 谷本瑞絵様とTOPPAN株式会社 鈴木英則に話をお聞きしました。

CO・OP商品が掲げる5つの約束

まずは日本生活協同組合連合会様の目指す価値と、CO・OP商品の特徴について伺えますか。

日本生協連様_対談写真_1 谷本様(日本生協連): 生協は「生活協同組合」の略で、数ある「協同組合」の一つです。消費者一人ひとりがお金(出資金)を出し合い組合員となり、協同で運営・利用する組織です。その中で、日本生活協同組合連合会(以下、日本生協連)は各地の生協や生協連合会が加入する全国連合会で、全国の生協の中央会的役割として生協への理解を広げ、社会制度の充実に向けた政策提言などを行ったり、CO・OP商品の開発と会員生協への商品供給、事業や活動のサポートを通して全国の生協の発展を支える役割を担っています。私が所属しているのは、CO・OP商品のパッケージ制作を担当する部署です。

CO・OP商品の価値は、商品そのものの品質の良さに加えて、「想いをかたちに」という考え方と、「安全・安心」「おいしさ」「社会やくらしへの貢献」という約束をどの商品でも一貫して実行している点にあると思っています。CO・OPマークがついていれば信頼できる。そう感じていただけることこそ、私たちが目指すブランドのあり方だと思っています。

2015年にパッケージデザインの制作体制を一新されたとのことですが、どのような課題があったのでしょうか。

谷本様(日本生協連): 2014年に実施したブランドイメージ調査の結果を受けて2015年度から本格的にブランド刷新に取り組み、なかでも「パッケージデザインの見直し」が大きなテーマになりました。当時はCO・OP商品の製造委託をしている取引先ごとに個別にデザイン制作をしていただき、それを日本生協連で監修していましたが、ブランドとしての統一感は十分とは言えない状況でした。デザインのトーン&マナーや品質の一定化が難しく時間もかかるため、新体制へと移行を目指しました。

具体的にどのような体制を構築したのでしょうか。

谷本様(日本生協連): ブランド刷新のタイミングで、TOPPANに専任のプロジェクトチームを立ち上げていただきました。CO・OP商品のブランド価値や考え方、一つひとつの商品の開発背景や思いを理解したうえでパッケージ制作を支援いただいています。

デザインのガイドラインを整え、CO・OP商品としてのデザインの一貫性と品質を安定して維持できるようになりました。また、制作工程における情報の一元化にもTOPPANのシステムを採用させていただき、無駄のない制作体制になっています。

日本生協連様_対談写真_2 鈴木(TOPPAN): もともとのワークフローだと、商品ごとに異なる取引先やデザイナー、日本生協連間で、メール書面ベースでの情報のやり取りが行われていました。そのため、スケジュールや履歴の管理、情報共有が困難な部分がありました。新体制ではすべての情報やコミュニケーションをワークフロー管理サービスで共有しています。取引先やデザイン制作会社をはじめ関係者全員が、デザインの修正過程や進行状況などすべての情報にアクセスできるのです。

谷本様(日本生協連): CO・OP商品は、多いときには数百品のパッケージデザイン修正が同時に進行することもあります。そのため、修正指示や制作物をやりとりできるツールとして、一元管理できるワークフロー管理サービスがとても役に立っています。

コープラベルの統一からユニバーサルデザイン対応まで——パッケージデザインの進化

新体制への移行後、実際にパッケージデザインにはどのような変化があったのでしょうか。

谷本様(日本生協連): 大きな変化としては、CO・OP商品のロゴと商品名の入れ方を統一しました。2015年以前は取引先メーカーごとに位置や書体がバラバラの状態で入っていたのですが、ロゴと商品名を記載する「CO・OPラベル」として統一し、商品の一番の顔となるように整えました。

また、「国産素材」や「(野菜や栄養素などを)手軽にとれる」といった訴求ポイントもアイコンの見せ方を統一し、商品を選ぶ際のわかりやすさを重視しています。こうしたアイコンを目印に買いやすくなったと組合員から声をいただいています。

鈴木(TOPPAN): 視認性という点で、ユニバーサルデザインにもこだわっていますよね。小さい文字でも読みやすいUDフォントを使用することで、どなたでも見やすいデザインを意識しています。

谷本様(日本生協連): 年齢層も幅広い組合員に利用していただいているので、誰にとってもわかりやすく使いやすい表示であることが、とても大切な価値だと考えています。開封表示やアレルギー表示、調理方法のアイコンなど、パッと見て理解できる表示を心がけています。

こうした取り組みを進めた結果、2025年度には、優れたコミュニケーションデザインを評価するUCDAアワードにおいて、企業総合賞をはじめとするトリプル受賞を達成することができました。 また、表示のわかりやすさを科学的に評価・改善し、実務で推進するための資格である「UCDA認定1級」も取得しました。今後は、ユニバーサルデザインの考え方を制作工程にさらに落とし込んでいきたいと考えています。

デザインクオリティの維持——会議、分業、そして組合員の声

約4900品という膨大な商品数の中で、デザインクオリティを維持するために重視されていることはありますか。

鈴木(TOPPAN): まずひとつは、3か月に1回の頻度で関係者が集まる合同デザイン会議を開き、これまでの課題や今後の改善策といった目線を合わせる場を定期的に設定しています。自分たちがデザインしたものをお互いに評価し合い、いいものだけはなく悪かったものを共通認識として持つことで改善して次につなげています。そうした会議の場で共有されたデザインのトーン&マナーの考え方はデザインガイドという形で一冊の冊子にまとめ、各デザイナーに周知しています。

また、表面デザインと裏面表示の制作を分業で取り組む体制を構築しているのも特徴のひとつだと思います。裏面表示は食品表示法などの観点で表面とはまた異なるクオリティが重視されるので、それぞれの特化した専門チームで進行しています。専属の校正者も常駐し、原稿品質は維持していますね。こうした点は、これまでの知見を活かしたTOPPANならではの体制かと思います。

谷本様(日本生協連): 組合員の声を商品づくりやパッケージに生かすため、日本生協連では「くらしと商品コミュニケーター」として数名の組合員に常駐いただき、商品開発会議などでもさまざまな意見をもらっています。「調理方法がわかりにくい」「写真はもうちょっと料理を見せたほうがいいんじゃないか」といった意見を反映することが、デザインクオリティの向上にもつながっていると思います。

鈴木(TOPPAN): 表面のデザインに関しては、Webアンケートで組合員にデザイン案を見てもらい、投票で選んでもらうこともありますよね。組合員ならではの鋭いご意見など、多くのフィードバックがあるので、素晴らしいなと思います。

谷本様(日本生協連): TOPPANともよく話をしますが、購入する側の視点を考える姿勢を大事にしています。自分がこの商品を買う時に、本当にほしい情報やおいしさは伝わってくるか。その視点に立つことや、組合員とのコミュニケーションを大事にすることがCO・OP商品の価値だと考えています。

パッケージが伝えるブランド価値——サブブランド展開と環境への責任

ブランド刷新以降、「コープクオリティ」や「コープサステナブル」など、サブブランドの開発も強化されていますね。

谷本様(日本生協連): そうですね。組合員の多様なニーズや価値観に応えるため、いくつかのサブブランドを展開しています。例えば、「コープクオリティ」は、原料や製造方法にこだわり、組合員モニターの8割以上が「おいしい」と評価した商品、「コープサステナブル」は、環境や社会に配慮した主原料を使った商品といった具合です。こうしたサブブランドも、それぞれロゴだけでなく、各サブブランドのコンセプトが伝わるデザインを独立させて作り、フォーマットを統一することでブランド認知を進め各商品を選びやすくしています。

2050年のCO2実質ゼロを目指し、2030年までに2013年度比でCO2排出量を50%以上削減する等の目標を定めている「生協の2030環境・サステナビリティ政策」に対して、パッケージ面ではどのような支援をされていますか?

谷本様(日本生協連): ひとつには、商品の容器包装におけるプラスチック使用量の削減や、再生・植物由来プラスチックの活用を進めています。主にパッケージのサイズを「小さくする」「薄くする」、トレーやペットボトルラベルを「省く」といった取り組みをしています。また、会員生協で回収したペットボトルをリサイクルし、包装に再利用するという取り組みも行っています。

鈴木(TOPPAN): 本取り組みですが、回収したペットボトルをリサイクル業者に送り、その後PETフィルムに再生。弊社では印刷・包材化するという工程をお手伝いさせていただいています。

ブランド刷新による現体制を構築してから10年が経ちますが、今後どのようにブランドを発展させていくか、展望をお聞かせください。

谷本様(日本生協連): TOPPANには引き続き価値観を深く理解したパートナーとして一歩先を見据えた提案を期待しています。高齢化社会が進むなかで「今の表示でいいのか」という意識は常に持ち続け、パッケージをどんどん進化させていく目標に向けてご支援いただきたいと思っております。

鈴木(TOPPAN): 日本生協連で課題になっているのが、若い組合員をいかに取り込むかというところですよね。安全・安心といったCO・OP商品の価値を保ちながら、若い方に刺さるデザインをともに考えていきたいです。特に日本生協連は組合員の声を商品づくりに反映させているのが何よりの強みだと感じています。その財産を価値に変えていくために、パッケージデザインの領域でこれからも貢献していきたいです。

TOPPANはパッケージに関する、
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