本記事は2024年9月に開催したSX展示会in 千歳工場のレポートです。展示会では、TOPPANの持続可能な社会の実現と、持続可能な生産工場作りに向けた取り組みについてご紹介しました。ここでは、その内容の一部をご紹介します。
「SX展示会 in 千歳工場」の開催概要
TOPPANは千歳工場にて、2024年9月5日(木)、6日(金)の2日間にわたり、「SX展示会in 千歳工場」を開催しました。展示会では、弊社のサステナブルパッケージや省人化ソリューション、千歳工場の品質管理について説明し、さらに両日でセミナーを同時開催しました。
会期:2024年9月5日(木)~6日(金)
開場時間:10:00~17:00(工場見学ツアーは10:30〜16:30)
会場:TOPPAN株式会社 千歳工場
「SX展示会 in 千歳工場」の概略 ~サステナブル、省人化、高品質なモノつくり
ここからは、SX展示会in 千歳工場の展示内容の一部をご紹介します。
①サステナブル=プラスチック削減、CO₂削減に向けたパッケージのご提案
TOPPANではプラスチックやCO₂削減に向けて、優れたバリア性能と環境適性を持つGL BARRIERを軸とした、サステナブルパッケージを提供しています。
例えば、GL BARRIERを採用した「楽ラクレンジ®」パッケージは、袋のまま電子レンジで加熱できます。湯煎の際の水や、電子レンジ使用時の耐熱皿、ラップなどが不要となり、パッケージのライフサイクル全体でのCO₂排出量を削減することが可能です。
クラウド型製造DXサービス「NAVINECT®」を展示しました。
NAVINECT®は、TOPPANの製造現場で開発・実装・運用してきた 130のアプリケーション群と、デジタル化のノウハウを活かしたサービスです。業務工数を削減することで、省人化を実現します。
③高品質=千歳工場における品質管理
千歳工場では、品質・環境・セキュリティの国際規格認証を取得し、第三者機関による客観的な品質保証体制を確立しています。
ISO9001:品質マネジメントシステム
ISO14001:環境マネジメントシステム
展示会と同時開催した2つのセミナー「ブランドの価値を高めるサステナブルブランディング」「パッケージ市場における国内外の市場変化と求められる戦略の方向性」の概略をご紹介します。
①ブランドの価値を高めるサステナブルブランディング
TOPPANが実施した生活者意識調査をもとに、サステナブル商品の購買動機や世代別の特徴を分析しました。
調査結果から、生活者は製品の使用時や廃棄時に環境配慮を最も重視しやすいことが判明したため、コンパクトにたためるなど、捨てやすさをアピールすることが効果的であることを示しました。
また、シニア世代には使い勝手の良さ、子育て世代にはお得感、Z世代には個包装での使い切りやすさなど、世代特性に応じた価値提供の重要性も明らかになりました。
講師紹介
TOPPAN株式会社 SX推進センター SX事業開発本部 商品企画部 マーケティングプランナー 伊藤 友香
②パッケージ市場における国内外の市場変化と求められる戦略の方向性
国内外のプラスチック規制やリサイクル推進の動向を踏まえ、企業のサステナブルな取り組み事例を紹介しました。
TOPPANはサステナブルブランド「SMARTS™」を通じて、パッケージの開発・販売からリサイクル技術開発まで、サーキュラーエコノミー実現に向けた総合的なサポートを提供しています。
その中でも、パッケージのCO₂排出量可視化のソリューションである「SmartLCA-CO₂®」を起点に、顧客の製品排出量の可視化のみならず、戦略策定と削減施策までの支援に注力しています。
講師紹介
TOPPAN株式会社 生活・産業事業本部 SX推進センター SX事業開発本部 マーケティング部 高田 康太郎
ここでは、実際にセミナーに参加したお客さまの声をご紹介します。
・今回、「環境」を考え、未来と共存するパッケージについて考えるとても良い機会になりました。日本以外で進んでいる技術にも触れられ、デザイナーとして視覚的な部分だけではなく、未来を考えるべきだと痛感したので、今後はアンテナを張ってパッケージの未来を考えていきたいです。今後ともよろしくお願いいたします。
・セミナーは、とてもわかりやすく参考になった。大変こまかな調査・分析に基づく説明で身近な事例を用いた解説であったためイメージしやすかった。
北海道におけるSXの取り組みのご紹介
①レーザーマーカー付易開封パウチ
レーザーで開封位置を示したパウチ包装です。レーザーマーカーによって開封の道筋が明確に示されており、従来品と比べて格段に開けやすくなっています。また、チャックテープの採用と表裏の段差により、再開封時の使いやすさも実現しました。
②蒸できスタンディングパウチ
開封せずに電子レンジ加熱ができる、スタンディングパウチです。千歳工場では製袋機上で袋全体を型抜きする装置を導入し、蒸気を逃がす構造を実現しました。液体から固形まで、幅広い内容物に対応可能です。
③FSC®森林認証紙使用軟包材
適切な森林管理を認証する「FSC®認証」を取得した用紙を使用する軟包装材です。環境負荷低減への取り組みを消費者にわかりやすく伝えられる紙パッケージは、ブランドイメージの向上に貢献します。手書きメッセージなど紙ならではの工夫ができる点も特徴のひとつです。
④【自動製函】ソリューション
蓋身式化粧箱の組立工程を自動化するシステムです。エアシャワーを備えた千歳工場内ですべての工程を完結させることで、中間輸送をなくし、異物混入リスクを大幅に低減しました。
また、化粧箱の組立作業を自動化することで、人手作業の3倍以上の生産能力を実現し、安定供給を可能にしています。
千歳工場は竣工50周年
2024年、千歳工場は竣工50周年という節目を迎えました。これを契機に、次の50年を見据え、社会とお客さま、そしてTOPPANの持続可能性を実現するため、環境に配慮した生産方式の確立に取り組んでまいります。