デザインストーマパウチとは
日本には約20万人のストーマ保有者(オストメイト)がいます。ストーマとは、消化管や尿路の一部を体外に開口させた人工的な排泄口のことで、主にがん手術や慢性疾患の治療の一環として造設されます。手術後も運動や入浴など、日常生活を続けることができますが、身体の変化やストーマパウチ交換時の精神的負担などから、不安や抑うつを感じる方も少なくありません。 オストメイトの生活をより豊かにするため、聖隷浜松病院の大腸外科医 佐藤純人氏が発起人となり、横浜市立大学 先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター(YCU-CDC)、東京デザインプレックス研究所、コロプラスト株式会社、TOPPAN株式会社および株式会社トッパンインフォメディアが連携し、「デザインストーマパウチ」開発プロジェクトを推進しました。
「デザインストーマパウチ」用ラベルについて
「デザインストーマパウチ」用ラベルは、透明な部分をカバーして排泄物を見えにくくすることに加えて、お気に入りのデザインを選んで貼り付けることで、無機質なストーマをオストメイトの方々の個性で彩り、精神的な負担を軽減することを目指しています。材質の選定においては、装着した際の触感や色褪せにくさに加えて、入浴時のラベルの剥がれにくさを考慮し、評価を重ねました。今回は艶エンビタックに4色印刷を施し、PP20ラミネートで保護することで、これらの要件を満たしています。これにより、装着時の感触の良さと耐久性の両立を実現しました。 さらに、今回のプロジェクトでは、社会人のデザイン専門学校である東京デザインプレックス研究所の修了生が手掛けた41種類の多彩なデザインをデジタル印刷で再現しました。多様なデザインを印刷する場合、一つ一つのデザインごとにロットが大きくなりがちですが、デジタル印刷を採用することによって、必要な分だけの多様なデザインのラベルを印刷することができました。様々なデザインから選ぶことができるため、オストメイトの方々が自分の好みや気分、個性を表現しやすくなることを期待しています。