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ウェルネオシュガー様 インタビュー

ロングセラーに、新しい息吹を——生活者視点が導いた『ささっと!砂糖』誕生の軌跡

ウェルネオシュガー様_対談写真_メイン

生活者の声によって
生まれた、
砂糖の新たな可能性。

ウェルネオシュガー株式会社様の「フロストシュガー」。かつて多くの家庭でヨーグルトとともに親しまれ、お菓子作りなどで長く愛用されていました。このロングセラー製品が2025年、装いも新たに『ささっと!砂糖』として生まれ変わりました。

今回のリブランディングプロジェクトの伴走者となったのが、TOPPANです。商品開発のノウハウがなかったというウェルネオシュガー様がなぜTOPPANを選び、いかにして『ささっと!砂糖』を生み出したのか。その道のりを担当者に聞きました。

<インタビュイー>
ウェルネオシュガー株式会社
広津明 様(営業本部 企画管理部長)
渋谷昌広 様(営業本部 企画管理部)

TOPPAN株式会社
古屋一成 (営業担当)
伊藤友香 (企画担当/コンセプト・ネーミング開発)
貝塚珠季 (企画担当/デザインディレクション)
安田一輝 (企画担当/プロモーション)

POINT

お客様の課題

・ヨーグルトへの付属がなくなってから約 10 年が経過し、家庭用市場での認知度や、店頭での存在感が低下し続けていた
・業務用では安定した需要があるものの、一般生活者向けの販売が年々減少しており、家庭用市場への有効な打ち手がない状態だった
・広告宣伝部門が主導するプロジェクトのため商品開発のノウハウがなく、市場調査・パッケージ開発・プロモーションを一貫して担えるパートナーが必要だった

生活者認知が失われゆく中、リブランディングを決断

まずは今回のプロジェクトが始動した背景にある、フロストシュガーの課題についてお聞かせください。

広津様(ウェルネオシュガー): フロストシュガーは、グラニュ糖を顆粒状にした溶けやすい砂糖です。かつてはヨーグルトの付属品として多くの方に親しまれていましたが、添付がなくなってからすでに10年ほどが経過しています。

業務用では製菓・製パン、スポーツドリンクなどの粉末飲料の原料として今も広く使われていますが、家庭用市場での消費は年々減少しており、認知度も店頭での存在感も低下し続けていました。このままでは、人々の記憶から完全に消えてしまう。何かテコ入れをするなら、今が最後のチャンスになるという危機感が募っていたんです。

「砂糖メーカーとして、新しい提案をするための武器が不足している」という営業部門の声もあり、他社にはない特徴をもつこの商品を、現代のニーズに合わせて再定義しようと決意しました。

パートナーとしてTOPPANを選んだ決め手は何だったのでしょうか?

広津様(ウェルネオシュガー): 私たちの部署は広告宣伝がメインの役割であり、商品開発そのものの経験がありません。また、市場が確立されている砂糖という商品群において、新しいポジションをどう築くのかが大きな課題になっていました。

そのため、市場調査からパッケージ制作、プロモーションまでを一貫して任せられるパートナーが必要だったんです。TOPPANは以前からパッケージ関連や広告宣伝の施策でお付き合いがあり、その高い提案力を目の当たりにしていましたし、私たちの思いを理解いただいてくれるという信頼感があり、今回ご依頼しました。

古屋(TOPPAN): 私は前身の日新製糖の時代から、のべ30年近く営業担当をさせていただいています。お互いの信頼関係があったからこそ、最初のご提案から深いディスカッションができたと思います。私自身、「フロストシュガーは、もっと多様な使い方ができるのではないか」という思いを長年温めていたので、それを具現化するときがついに来た、という気持ちでご提案しました。

「溶けやすさ」の先にある、生活者視点の価値を発見

プロジェクト開始後、まず取り組んだのはどのようなことですか?

伊藤(TOPPAN): フロストシュガーがもつ、真のポテンシャルを明らかにすることから始めました。料理研究家の方々への有識者インタビューをし、そこからコンセプトの仮説を立て、さらに一般の生活者へのグループインタビューを重ねると、新しい発見があったんです。

有識者インタビューの中で、実際にプロの料理研究家に使っていただくことで、「溶けやすいからこそ、卵焼きの焼き目にむらができず、失敗しにくい」「自家製ドレッシングも作りやすい」といった、具体的な使い勝手のよさが高く評価されたんです。ここから、お菓子作りという既存のイメージの枠を超え、日常のあらゆるシーンで使える「万能性」というコンセプトが見えてきました。

広津様(ウェルネオシュガー): 私たちメーカーはどうしても「この商品は溶けやすい」というスペックの押し付けになりがちです。しかし、この調査を通じて「さっと溶けることで、どんな用途に使えるのか」「料理の工程がどう楽になるか」という生活者目線の気づきをたくさんいただきました。

伊藤(TOPPAN): インタビューを通して、顆粒状だからこそ固まりにくく、ダマにならない点が評価されていることが見えてきました。その特徴があると、料理の下味だけでなく、ドリンクの甘味付けに使ったり、トーストなどにトッピングするなど、味の最終調整にも使えることが考えられます。キッチンに置くだけでなく食卓にも存在しうる商品になるだろう、と利用シーンを広げるコンセプトを固めていきました。

渋谷様(ウェルネオシュガー): コンセプトが確立したあたりから商品化の道筋が見えてきて、ワクワクしながらプロジェクトを進めていましたね。料理の下味やトーストにも使えるというのは、フロストシュガーでは訴求していなかったポイントです。当社は「〜糖」「〜シュガー」という定番商品が多い中、新しい見せ方で形になっていくことに嬉しさを覚えました。

その気づきが、新しい商品名『ささっと!砂糖』や、中身の改良につながっているのですね。

貝塚(TOPPAN): そうなんです。ネーミングでは、動作を表す副詞である「ささっと!」という言葉を採用しました。「さっと溶ける」だけでなく、「さっと取り出せる」「さっと使える」といった、現代のマルチタスクな生活者が求める利便性を凝縮した言葉です。

広津様(ウェルネオシュガー): 中身については、インタビューで「粒が大きくて人工的な感じがする」「計量しにくい」という声が出ました。そこで、もともと業務用として生産していた、より粒の細かい形態を採用することにしました。

デザイン面では、どのようなこだわりを込めましたか?

渋谷様(ウェルネオシュガー): ウェルネオシュガーとして、「王道感」は外したくないというリクエストをしました。砂糖メーカーとしての安心感を赤と白の定番カラーで維持しつつ、縦書きのロゴで店頭でのアイキャッチを強めるという、新旧の絶妙なバランスを実現していただきました。

貝塚(TOPPAN): 店頭での視認性を高めることを意識しつつ、インタビュー結果から「人工感をなくして、ナチュラルにしたい」というリクエストを渋谷様からいただいたため、中身をあえて見えるよう透明な部分を設けています。

親しみやすい家庭料理のイラストも付けました。従来のフロストシュガーは、お菓子の写真が大きく載っており、お菓子専用のイメージが強かったと思います。今回は、料理を楽しくするワクワク感を表現するために、実写ではなくあえてイラストを採用して、多くの生活者が「自分事化」できるよう工夫しています。さらに、手に取った瞬間に直感的に使い方が伝わるよう、「ここを持ってささっと!ひとふり」というコピーを配置しました。

液体用パウチを採用する史上初のチャレンジ

パッケージの開発では、かなりの紆余曲折があったと伺いました。

広津様(ウェルネオシュガー): 当初は、「さっと使える」のにふさわしい、ボトルタイプのパッケージにする予定でした。ところが、いざコストを計算してみると想定をはるかに超えてしまい、社内の承認が得られなかったんです。基礎調味料である砂糖の価格帯で販売することが難しくなってしまい、プロジェクトはここで一度、半年ほど停滞することになりました。

古屋(TOPPAN): 広津様からコスト面で厳しいというお話をいただき、使い方は変えず、コストを抑えるにはどうすればいいかを必死に考えました。そこでご提案したのが、透明でありながら高いバリア性を持つ「GL FILM」の素材を用いた「エアホールドパウチ」です。もともとは液体用の容器で、持ち手部分に空気が入っていて自立し、注ぎやすいのが特徴です。これを砂糖に転用できないかと考えました。

エアホールドパウチに粉末の砂糖を入れるのは、技術的に難しそうですね。

古屋(TOPPAN): 液体とは異なり、砂糖は軽く、底ガゼットが充填時に開きにくい為、困難を伴いました。しかし、30年の付き合いがある充填加工場の協力を得て、工場の社長と一緒に新しい充填方法を編み出したのです。TOPPANがもつフィルムメーカーとしての技術力と、信頼関係がある協力先のノウハウが結実したからこそ実現できたことだと思います。

渋谷様(ウェルネオシュガー): パッケージもデザインも前例のないチャレンジでしたが、営業担当から「特徴が際立っているので、小売店のバイヤーに興味をもってもらえる」というポジティブな反応をもらい、嬉しく思います。

体験型プロモーションで「現代の万能調味料」という新定番を届ける

プロモーションについても、これまでとは異なる手法を取られたそうですね。

安田(TOPPAN): はい。エアホールドパウチを使った砂糖は珍しく、生活者が使い方をイメージしにくいのではないかと考えました。そこで、まずは「こんな便利なものがあるんだ」という認知と、実際に使ってみる体験をセットで提供することにしました。食の感度が高いユーザーが集まるメディア「おうちごはん」とタイアップし、100名のインフルエンサーに実際に使ってもらう投稿キャンペーンを設計したんです。

キャンペーンの結果、どのような反響がありましたか?

安田(TOPPAN):: インフルエンサーの方々が、スイーツだけでなく卵焼きやドリンク、あるいは料理の下ごしらえなど、私たちが想定していた以上に幅広い使い方を投稿してくれました。合計で約100万フォロワーにリーチし、コメント欄でも「こんな商品があったんだ」「振るだけで使えるのは便利そう」といったポジティブな声が多く寄せられました。

渋谷様(ウェルネオシュガー): 生活者は砂糖を指名買いすることが多く、購入する銘柄を変えてもらうのが難しいカテゴリーです。そのため、普段から料理をしていて、調味料への感度が高い層にまずアプローチすることで認知度を上げていきたいと考えました。このプロモーションのおかげで、ヨーグルト用の砂糖という固定概念を、「現代の万能調味料」へアップデートできたと感じています。

安田(TOPPAN): キャンペーンは、現在第2弾を行っています。生活者の皆さまの目に長く留まるよう、投稿キャンペーンを再度実施しているところです。

最後に、このプロジェクトを振り返っての感想と、今後の展望をお聞かせください。

伊藤(TOPPAN): 時代が変われば、同じモノでも違う魅力が見えてきます。ロングセラー商品でも、時短が求められる現代において「さっと調理できる」というように、時代のニーズに合わせて新たな魅力を引き出せることを改めて実感しました。

その成果が認められ、『ささっと!砂糖』は「ジャパンパッケージングコンペティション2026」で一般社団法人日本印刷産業連合会会長賞を受賞しました。市場からも最高の形で評価いただけたことを光栄に思います。

広津様(ウェルネオシュガー): 何度も壁にぶつかりましたが、TOPPANの皆さんが最後まで粘り強く伴走してくれたからこそ、この形に辿り着けました。商品開発の知見に乏しい中、適切な手法を提案いただいたおかげで、多くの気づきや学びが得られたと思っています。

また、新しい商品開発ではなく、リブランディングだと自分たちの先入観がどうしても邪魔をしがちです。そんなとき、TOPPANの皆さんが客観的な意見を多く出していただいたことに助けられました。

今後も引き続き『ささっと!砂糖』の認知を広げ、採用していただく小売店を増やしていきたいです。最終的には、自宅に砂糖を常備していない単身の方や若年層にも選ばれる商品に育て、ユーザー層の拡大につなげたいですね。砂糖市場における新しい定番として、多くの食卓へ届けていきたいと思います。

TOPPANはパッケージに関する、
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