世界中で愛され続け、今も多くの人が憧れを持つカメラブランド「ライカ」。今回は、新製品「ライカSL2-S」のプロモーション作品を撮影する作家として抜擢されたトッパンのフォトグラファー南雲暁彦を紹介します。
ライカカメラさんのこの企画は、新製品発表時にグローバルで様々なジャンルのフォトグラファーに撮影を依頼し、その作品とストーリーを紹介するというものです。その活動は、静止画や動画の作品制作、個展開催の他、ライカスタイルマガジンへの寄稿、新製品発表会への登壇など、多岐に渡ります。今回選ばれたフォトグラファーのうち、南雲は唯一の日本人です。このような作家として選ばれた日本人は、ハービー・山口さん、中井精也さん、若木信吾さんに続き、南雲で4人目、動画作品の撮影では日本人初となります。
ライカカメラさんが南雲を知ったきっかけは、以前、雑誌『コマーシャル・フォト』(⽞光社刊)で南雲が1年半にわたり執筆した「Still Life Imaging-素晴しき物撮影の世界-」という連載企画でした。(http://shuffle.genkosha.com/technique/still_life/)この連載では、南雲は毎号異なるカメラを使用してビジュアルを制作し、そのプロセスを解説。その中でライカのプロフェッショナル仕様のカメラ、ライカS3を使用して撮影したビジュアルが高い評価を受け、ライカプロフェッショナルストア東京での個展開催につながりました。


美しいオートバイをライカS3で撮影。個展「SVARTPILEN」にて展示(2019年)
新製品「ライカSL2-S」は、動画撮影を強化したミラーレスカメラです。その為今回のプロモーションには、静止画のみならず動画撮影でも実績があり、カメラの特長をうまく引き出した表現ができるフォトグラファーが求められました。これまでの写真や動画作品の説得力の強さが評価され、南雲に白羽の矢が立ちました。
世界中を見てきた目で、東京の風景を切り取る
フォトグラファーとなって約30年。南雲は自分が作りたいビジュアルに対して真摯に向き合い、「日本人である前に地球人」という感覚で世界中の絶景を写真に納めてきました。しかし今回のプロモーションで開催された個展「Lens of Tokyo-東京恋図-」では、あえて東京の風景を撮影しています。




黒い車体に溶けだしたように映りこむ東京タワーや、街灯りに照らされた雲と夜空に浮かび上がるレインボーブリッジ。東京の雑多さが整理されていくような、薄暮から夜にかけての時間。南雲の視点で大胆に切り取られた作品からは、カメラの性能と共に彼の個性がうかがえます。「東京の新しい原風景をつくる」というテーマを掲げ制作された作品たち、「見た人々にとって、いつか東京に来てこの風景を見たいという希望になれば」と南雲は作品への思いを語っています。
EXHIBITION INFORMATION
南雲暁彦写真展「Lens of Tokyo -東京恋図-」
会場:ライカプロフェッショナルストア東京・ライカ大丸心斎橋店
会期:2020年12月12日(土) ~2021年4月3日(土)
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フォトグラファー:南雲暁彦
PRODUCT INFORMATION
ライカSL2-Sプロモーション 個展「Lens of Tokyo -東京恋図-」
ライカカメラジャパン株式会社
プロモーション・個展/2020年
フォトグラファー:南雲暁彦
フォトグラファー 南雲暁彦
写真文化はカメラを作るメーカーとフォトグラファーの二人三脚で歩んできた歴史をもつ、いつの時代もライカの性能は一枚の傑作を生むためにあるのだ。フォトグラファーとして、いまこのコロナ禍においても写真で希望を繋いでいきたいと思う。そんな想いで撮影をした。