名古屋市防災危機管理局
「家庭の防災リーダー」が地域を救う。名古屋市と取り組む、「防災人材育成」のモデルケース
家庭の防災リーダー育成事業
体験型プログラムとデジタルコンテンツの融合による、家庭内対策の実行支援モデル
事業概要・施策
課題背景
名古屋市では、将来の災害に備え「名古屋市防災人材育成方針」を策定し、戦略的な防災人材育成に取り組んでいます。しかし、行政が提供する啓発情報は一方的な周知にとどまりやすく、各家庭での具体的な備蓄や家具固定といった対策(自分事化)まで結びつけることが難しい現状がありました。
特に、現役世代の保護者へ直接アプローチすることは時間的な制約から困難なため、子どもを「家庭の防災リーダー」として育成し、子どもを介して家族全員の意識変容を促す防災人材育成の新たな仕組みづくりが急務となっていました。子どもから家庭、そして地域へと防災の輪を広げていくための、実効性の高いアプローチが求められていました。
事業概要
企画・クリエイティブおよび事務局運営を一括して担い、「育成プログラム(学び)」「啓発動画制作(振り返り)」「作品展示会(実践)」という3つの施策を軸に、一貫性のある防災人材育成を推進しました。
単なるイベント開催で終わらせず、自宅での振り返り用にドラマ仕立ての「啓発動画」を制作し 、さらに家庭での取り組みを報告する「ミッションシート」を導入。参加した子どもの90%以上から高い満足度を得るとともに、75%以上の家庭で具体的な防災対策への意欲向上を実現しました。また、令和7年度には地域での防災人材育成のツールとして、「自走化」を目指したパッケージを作成しました。
具体的な取り組み
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「学び」:産官学連携による体験型プログラムの実施(なごやっ子防災レンジャー育成プログラム)
名古屋市内の大学等を会場に、防災ボードゲーム「LIFE」を用いた演習に加え、名古屋市公式防災アプリと紙のマップを併用した「マイ・タイムライン」の策定ワークショップを実施しました。地域の大学生・高校生ボランティアが「チューター」として参画し、多世代交流の中で楽しく学べる場を創出することで、地域コミュニティを巻き込んだ防災人材育成を実現しました。この取り組みは中日新聞やテレビ番組でも紹介され、社会的にも高い関心を集める防災人材育成施策となりました。
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「振り返り」:家庭学習を深化させる「ドラマ仕立て」の啓発動画制作
イベントでの学びを家庭で再確認できるよう、全4回の啓発動画を制作しました。地震や風水害などテーマ別のドラマ形式にすることで、親子で共に学ぶきっかけを提供しました。
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「実践」:ミッションシートと展示会による対策の可視化
家庭での防災アクション(家具固定や備蓄点検など)を報告する「ミッションシート」を募集しました。提出されたシートは商業施設で展示し、優れた取り組みを社会に共有しました。このように、単なる知識習得で終わらせず、実際の行動変容に結びつける施策を実施しました。
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「継続」:自走化に向けた標準化マニュアルの整備
複数年にわたる運営知見を活かし、投影スライドや台本、運営マニュアルを「自走化パッケージ」として整備しました。これにより、自治体職員や地域団体が主体となって質の高い防災人材育成を継続・展開できる環境を支援しています。
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学生チューターが進行する
LIFE演習の様子 -
マイ・タイムライン作成の様子
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子ども向け防災啓発動画
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ミッションシート展示の様子
TOPPANのソリューションポイント
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教育設計に基づく啓発動画制作
専門家による監修のもと、視聴者の属性(子ども・保護者等)に合わせた最適なシナリオを設計します。ドラマ形式やアニメーションなどの多様な表現手法を用い、単なる情報伝達に留まらない、視聴後の具体的なアクション(例:家具固定の実施)へ繋げる高品質な映像コンテンツを制作します。
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地域展開を支援する「自走化」のための標準化・マニュアル整備
実施した事業のノウハウをパッケージ化し、投影資料、運営台本、各種ワークシート等のデータとともに「標準化マニュアル」として整備します。これにより、自治体が将来的に地域団体や教育機関と連携し、事業を自立的・継続的に拡大(自走化)させていくための基盤づくりを強力に支援します。
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防災ソリューションの開発ノウハウ
小中学生が楽しみながら学べるデジタル防災教育・学習システム「デジ防災®」やリモートで開催可能な防災アトラクション「リモート型防災アトラクション®」など、小学生から大人まで防災意識を高めることができる、多数の防災関連のサービス開発・提供しています。
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