鎌倉市・東京都

環境負荷軽減と資源循環を両立する
使用済み紙おむつのリサイクル施策

鎌倉市:使用済み紙おむつの資源化に係る実証実験
東京都:家庭用紙おむつの効果的回収と完結型リサイクル事業
環境負荷軽減施策として使用済み紙おむつの回収から製品化までのコーディネート

事業概要・施策

[課題背景]

紙おむつは高齢化社会の影響で、排出量が多くなることが推計されており、一般廃棄物に占める割合は2020年度の5.2~5.4%から、2030年には6.6~7.1%程度に増加すると推定されています。(環境省令和5年「使用済紙おむつの再利用等の促進プロジェクト検討結果とりまとめ」より)。 現在、ほとんどの紙おむつが焼却処理をされており、紙おむつのリサイクルを進めることは喫緊の課題となっています。 このような背景により、鎌倉市・東京都でもその環境負荷を軽減する施策のひとつとして、紙おむつのリサイクルを検討しています。

[事業概要]

環境負荷軽減施策として、一般廃棄物の中で5%以上を占める使用済み紙おむつの、回収からリサイクル設備導入、製品化までをコーディネートする循環型モデルを構築する実証事業を実施しました。
使用済み紙おむつの全量資源化に向け、排出者の行動変容策や回収箱センシング、AI活用による効率的な回収ルート設計といったDX戦略も策定。

生産技術を駆使したアップサイクル材料・製品で資源循環と環境負荷軽減を両立し、脱炭素施策にも対応しました。

[実証内容]

  • 鎌倉市:使用済み紙おむつの資源化に係る実証実験

    鎌倉市では、環境負荷の少ない循環型社会の構築や焼却施設の老朽化等を背景として、焼却量や埋め立てによる最終処分量を限りなくゼロに近づける「ゼロ・ウェイストかまくら」の実現を目指し、ごみの減量・資源化に積極的に取り組んできました。
    そこで、環境負荷軽減に関して今後のごみの減量・資源化をさらに推進する施策の一つとして、紙おむつの資源化を計画、実証を実施しました。

    病院・保育園から発生した使用済み紙おむつをリサイクル施設で洗浄・分離。その材料をTOPPANが受領し、処理物の確認から製品化検討までを担っています。市立保育園にデジタルサイネージ付きの回収ボックス「PoyPort®」を置くことで、保護者に家庭で発生する使用済み紙おむつを持ち込んでもらう施策も実証の中で行っています。

  • 東京都:家庭用紙おむつの効果的回収と完結型リサイクル事業

    東京都は、使用済み紙おむつの持続可能なリサイクルに向けて、都内に適したリサイクルに資する手法を検討するため、R3年度に「家庭用紙おむつの効果的回収と完結型リサイクル事業」を実施しました。

    家庭から排出された紙おむつを、効率よく「回収」「分離・洗浄」「リサイクル」し、社会へ実装するまでを想定。市民の参加・協力意識を醸成するための行動変容を促す実証施策をおこない、その効果について検証しました。実証の中では、点在する発生場所を効率的に回収するためにAIを活用し、その経済効果についても検証。
    回収物からリサイクルをおこない、商品化に向けた評価や販売の可能性についても検討しました。

  • おむつ回収ボックス設置の様子

  • 東京都「使用済み紙おむつのリサイクル実証実験」フロー図

  • おむつ回収ボックスでの回収促進コンテンツ

  • アップサイクル材料・製品(パルプ・プラスチック)

TOPPANのソリューションポイント

  • 環境負荷軽減施策としての紙おむつリサイクルへの取り組み

    TOPPANは事業活動を通じ持続可能な社会づくりに貢献するため、「DX&SX」の取り組みを強化し、「社会的価値創造企業」の実現を目指しています。2020年には「TOPPAN Business Action for SDGs」を策定し、事業活動におけるサステナビリティの重点課題への取り組みを加速させてきました。

    重要課題のひとつとして掲げた【安全安心で豊かなまちづくり】においては、2020年4月よりトータルケア・システム、住友重機械エンバイロメントとの3社で、年々増加傾向にあり社会問題化している使用済紙おむつの廃棄物が増加する問題に対して、使用済み紙おむつから回収できるすべての再生資源をマテリアルリサイクルする、「完結型マテリアルリサイクルシステム」の構築と、社会実装に向けた事業展開に関する協議を開始しています。

  • インタラクティブゴミ箱「PoyPort®︎」

    使用済み紙おむつを回収するボックスとして、環境啓蒙映像を投影可能なサイネージやセンシング機能を搭載したインタラクティブゴミ箱「PoyPort®︎」を使用。
    この回収ボックスの一部は、過去に回収された紙おむつからリサイクルしたプラスチック材料を混練した素材で製造しています。

インタラクティブゴミ箱「PoyPort®」

ごみがセンサー通過することで、モニターへの動画再生指示が起動し映像を流します。
イベントや設置設備に関連した動画再生、ランダム再生映像の併用で、「あのごみ箱に捨てたい!」面白いポイ捨て対策を講じることが可能です。

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