東京都 武蔵野市
「子育て支援」事務を部内横断で最適化
行政手続きのオンライン化とボトムアップ型業務BPRで持続可能な市政運営へ
部内横断型の子育て支援事務BPR、オンライン申請率向上に向けたDX実行支援、および窓口・バックヤードの一体型業務委託
事業概要・施策
課題背景
武蔵野市では、子どもに関するライフイベント(出生、転入等)に伴う行政手続きが、制度ごとに縦割りとなっていることが大きな課題でした。
市民は類似した内容を何度も書類に記入する必要があり、利便性が最適とは言えない状況にありました。
一方で、行政ニーズの多様化により子育て支援サービスが増大する中、対応する職員の慢性的な不足や、2040年問題を見据えた労働人口の減少という深刻なリスクにも直面しています。
従来の「人手を補充するだけ」のBPOでは予算維持や質の担保が困難になると予測されることから、業務運用体制を抜本的に見直すBPR(業務改善)の実施が急務となっていました。
事業概要
武蔵野市は、市民サービスの向上と持続可能な市政運営を目指し、令和6年度から部を横断した大規模な「業務BPR」を実施。
その結果に基づき、子育て支援に関わる定型的な事務(児童手当、医療費助成、保育園入所等)を一体的に外部化する「武蔵野市子育て支援関係手続き受付等業務委託」を開始しました。
本事業では、単なる人材置き換えに留まらない「人的支援+DX推進支援」をコンセプトに掲げています。
オンライン申請の拡大やデジタルツールの利活用を強力に推進することで、市民の来庁負担を軽減する「フロントヤード改革」と、バックヤード業務の劇的な効率化の同時実現を目指します。
具体的な取り組み
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部局横断型BPRによる業務プロセスの可視化と全体最適化の設計
前回のプロジェクトにて子どもに関する行政手続きが制度ごとに縦割りとなっている課題を解決するため、子ども家庭部内の3課(子ども子育て支援課、子ども育成課、児童青少年課)および教育部(教育支援課)を横断した大規模な業務BPRを実施しました。
定量的な業務量調査や窓口実態調査、現場へのヒアリングやワークショップを通じて、現状の業務フローを詳細に可視化。非効率なアナログ作業や重複業務などのボトルネックを洗い出しました。その上で、民間事業者のノウハウを活用しながら、デジタル技術の導入や定型業務の外部委託(BPO)化を見据えた「あるべき姿(To-Be)」を描き、持続可能な行政運営に向けた抜本的な業務改善施策を具体化しました。
この設計をもとに、複数の課にまたがる子育て支援事務を一体的に集約する「バックヤード業務の集約化」や、市民にとっての真の「ワンストップ窓口」実現に向けたより具体的な施策を検討していきます。
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オンライン申請の拡大とフロントヤード改革の推進
市民の利便性向上と窓口の混雑緩和を目指し、児童手当や保育関連など各種手続きのオンライン申請への移行を順次実施。また、市民からの電話問い合わせ時には、SMSを用いて直接申請フォームのURLを案内する運用を開始し、デジタルへのスムーズな誘導導線を構築しました。 来庁された市民に対しても、窓口でのタブレット端末の共同利用を開始し、オンライン申請への案内を一本化するサポート体制を整備しています。
これにより、市民目線での手続きのワンストップ化と、将来的なバックヤード業務の効率化に直結する「オンライン申請率」の大幅な向上を実現。今後はさらなる市民体験(UX)の向上を目指し、LINE等を用いた対象者への「プッシュ通知」による申請機会損失の防止や、電話問い合わせに対してAIが一次対応を行うIVRの導入なども検討しています。 -
「人的支援+DX推進支援」によるバックヤード業務の高度化
単なる人材置き換えに留まらず、DX専門人材を投入したバックヤードの劇的な効率化を計画。拡大したオンライン申請のデータをさらに効率よく処理するため、RPAやAI-OCR、生成AIなどの最新技術の適用可否を検証し、審査・入力業務の自動化とヒューマンエラーの排除を目指します。また、これまで紙で印刷・封入して郵送していた各種通知物を、将来的にデジタル配信へ移行(ペーパーレス化)する電子通知送信サービスの導入なども検討。現場の運用に即した改善によって、持続可能な行政運営を強力に推進していきます。
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人材置き換えに限定しない外部化
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課題を踏まえたBPR・DX実行支援の方針
TOPPANのソリューションポイント
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最適な行政事務処理業務の設計ノウハウ
自治体職員不足は今後も継続する課題であり、かつデジタル技術の発展や多様化する住民ニーズに対する行政サービスの在り方は今、根本的な見直しが求められています。 多くの自治体で業務フローの見直し、行政DX推進に取り組んでいますが、日々の業務レベルの改善や削減、小さな取り組みでは効果は小さいばかりか、かえって非効率な仕組みになることもあります。 金融機関をはじめとした民間企業でのアウトソーシング業務の設計ノウハウを活かし、各種帳票の設計から、受付・審査・入力などを最適に行う業務フローの設計など、自治体業務効率化に向けたわかりやすい業務設計をサポートします。
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将来を見据えた行政DX・BPR業務改善提案
単なる事務代行にとどまらず、将来的には進捗管理システムの導入による「工程の見える化」や「行政事務センター化(バックヤード業務の集約)」など、さらなる業務効率化とDX推進に向けた提案を行います。









