和歌山県 総務部 行政企画局
行政DXを職員が自分ごとにするためには?動画配信を主軸とした行政DX研修
【全職員対象】行政DXリテラシー向上研修
PowerPointを活用した研修用動画の作成と研修用コンテンツの制作
事業概要・施策
[課題背景]
和歌山県庁では、行政DXの推進において「人的」と「技術的」な2つの壁に直面していました。
人的には、長年の慣習により職員が既存業務に疑問を持たず、改革マインドが醸成されにくい状況でした。技術的には、一般職員のITリテラシーやデジタル知識が不足しており、業務効率化の必要性を感じても具体的な行動に移せない実態がありました。
行政DXは特定の部署ではなく全職員が「自分ごと」として実践する必要があります。この2つの壁を乗り越え、全職員約4,500人を対象とした全庁的な意識改革とリテラシーの底上げが喫緊の課題となっていました。
[事業概要]
職員の意識(マインド)とITリテラシーという2つの課題を解決するため、和歌山県は当社サポートのもと2023(令和5)年度から2年間にわたり全職員約4,500人を対象とした「行政DXリテラシー向上研修」を実施しました。
この研修は、特定の部署だけでなく、全職員一人ひとりが行政DXを「自分ごと」として捉え、当事者意識を持つことを目的としました。 また、研修動画の配信手段として、ビジネス動画セルフサービス「PIP-Maker®︎」を導入。勤務形態が多様な職員でも都合の良い時間に視聴でき、クイズ機能などで視聴効果を高める工夫を施しました。
この取り組みにより、全庁的なリテラシーの底上げと意識改革(機運醸成)を図り、現場での具体的な業務改革アクションにつながる土壌を育んでいます。
[具体的な取り組み]
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段階的なアプローチによる「行政DXリテラシー向上研修」の実施
2カ年計画で、段階的に内容をブラッシュアップしての研修が実施されました。
2023年度は「意識改革編」「業務改革実行編」「デジタル技術の活用編」の3編(合計約3時間)で構成。まずは行政DXの基礎を築き、「行政DXを難しく考える必要はない」「自分も業務改革ができる」というマインドの醸成を重視しました。
2024年度は、前年度のアンケート結果を踏まえ、より実践的なアクションを促す内容に改善。
一般職員向けと管理職向けで内容を分け、知識面は最低限にとどめつつ、課題解決型のワークを導入しました。これにより「業務改革を考えるきっかけになった」など、職員が具体的な行動変容を意識するきっかけを提供しました。 -
「PIP-Maker®︎」活用による効率的な研修配信
全職員約4,500人という大規模な研修を実現するため、 PowerPoint資料から簡単にナレーション付き動画を作成できる「PIP-Maker®︎」を動画配信ツールとして導入しました。
図書館や病院勤務者など、土日や夜間勤務も含む多様な勤務形態の職員が、各自の都合の良い時間に視聴できる環境を整備。動画にはクイズやアンケートを挿入できるインタラクティブ機能を活用し、視聴者が能動的に参加でき、流し見を防ぐ仕組みを構築しました。
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2023年の研修の様子
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2024年の研修の様子
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PIP-Maker®とPowerPointでの動画作成イメージ
TOPPANのソリューションポイント
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ビジネス動画セルフサービス PIP-Maker®
「ビジネス動画セルフサービス PIP-Maker®(ピーアイピー・メーカー)」は、撮影、録音、場所取り、キャスト探しが一切不要の音声付き動画作成クラウドサービスです。いつも使っているPowerPointから、動画制作スキルがなくても簡単3ステップで動画コンテンツを作ることができます。
和歌山県様での本事例を元にブラッシュアップされた全職員向け「行政DXリテラシー向上研修」コンテンツについては、多様な自治体様で活用できるように構成されています。

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