2025.11.28
新しい地方創生モデル「関係人口」
とは?拡大・深化のための取り組み
関係人口とは、移住・定住以外の形で地域に関わる人々であり、人口減少や担い手不足の解消、地域の持続的発展の鍵となります。本記事では、関係人口の考え方やその拡大に役立つサービス、事例を紹介します。
人口減少や高齢化が進み、地域の担い手不足が深刻化するなか、地方と都市をつなぐ新たな関係づくりが求められています。地域の持続的な発展を支える鍵となりつつあるのが、移住や定住に限らず、地域と多様に関わる「関係人口」の存在です。
本記事では、人口減少や担い手不足に悩む地方自治体の現状を踏まえ、新たな地域の支え手として注目される「関係人口」の考え方や、「二地域居住」という新しい暮らしの形、その拡大に役立つサービスや活用事例をご紹介します。
この記事で分かること
・「関係人口」とは何か
・関係人口拡大のための具体的な取り組み
・自治体による関係人口拡大策の取り組み事例
地方自治体が直面する人口減少と担い手不足の現状
日本では急速な人口減少と高齢化が進み、2044年には人口が約1.1億人にまで減少すると予測されています。特に、地方では若年層の流出が続き、東京圏への10〜20代の転入超過は年間10万人を超えるなど、都市への一極集中が深刻です。
その結果、地方の労働力や後継者が不足し、農業・漁業・伝統工芸といった地域の基幹産業を支える人材が急減しています。
人口比で見ても、15歳未満人口が大きく減少する一方で、65歳以上の人口は増加を続けています。こうした人口構造の変化は、地域経済のみならず、食料供給や防災など、社会全体の持続性にも影響を及ぼす要因です。
国は地方への移住・定住を促進する取り組みを続けてきましたが、思うような成果は得られないままでした。そこで、移住に加えて期待される新たな概念が、「関係人口」です。
地域づくりの新しい担い手「関係人口」とは
「関係人口」とは、地域に移住して定住する人でも、観光で一時的に訪れる人でもなく、地域や人々と多様な形で関わる人々を指します。具体的には、地域活動への参加や仕事、ボランティアなどを通じて関係を築き、やがて移住などより深い関わりへと発展する可能性を持つ人々のことです。
こうした交流を通じて地域の魅力や文化が再発見・発信されることで、地域ブランドの向上も期待できることから、関係人口の拡大は、地域社会の持続的な発展を支える新たな力となる可能性を秘めています。
国や自治体では、移住促進だけでなく、「関係人口の形成」を視野に入れた多様な地域参加の仕組みづくりを進めています。
関係人口の新しい枠組み「二地域居住」
「関係人口」の地域との関わり方として、注目されているのが「二地域居住」です。二地域居住とは、都市部などの主な生活拠点とは別に、地方などにもう一つの拠点を持つ暮らし方を指します。移住や定住と比べ、地域との関わりをより柔軟に持てるのが特徴です。
コロナ禍をきっかけにリモートワークや多拠点生活が広がり、二地域居住を実践しやすい環境が整いつつあります。地方への滞在を促進することは、地域経済への貢献や住民との交流の活性化につながります。地域振興に効果が期待できるため、国土交通省でも推進されている枠組みです。
一方で、住まいや交通、コミュニティ参加などの課題もあり、地域と個人の双方で制度設計や環境整備が求められています。
TOPPANが支援する関係人口拡大策|生活価値体験ツアー
TOPPANは、移住マッチングサービス「ピタマチ®」の提供や、地域と都市生活者をつなぐ「生活価値体験ツアー」の企画・サポートを通じて、関係人口の拡大を支援しています。
国土交通省、内閣官房・内閣府、総務省、農林水産省、経済産業省が連携する「全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム」の会員として、二地域居住推進フォーラムでの体験ツアーの出展も行っており、地域との新たな関わり方を提案しています。
・地域固有の「生活価値」を見つけ体験する「生活価値体験ツアー」
・地域と移住・定住希望者の理想の暮らしをマッチング「ピタマチ®」|TOPPAN Biz
地方生活者と都市生活者をつなぐ旅
生活価値体験ツアーは、地元の人にとっての日常の仕事や暮らしを、都市生活者にとっての「価値ある体験」として提供し、都市生活者と地方生活者をつなぐ地域交流型の体験ツアーです。
地域のお困り事を題材に、「地域課題が起点となるツアー」を企画・造成するための共創支援を提供することで、都市生活者が地域と継続的に関わる機会を創出しています。参加者に地域の仕事を体験してもらうことで、地域の人手不足の解消も可能です。
ツアー参加者の多くが再訪を希望するなど、地域産業・産品へ関心を持つ地域ファンを創出し、地方の関係人口の拡大につながっています。
TOPPANは、移住または地域に関心のある方のデータを活用し、ツアーの企画や情報発信を支援することで、都市と地方をつなぐ新しい関係づくりを推進しています。
生活価値体験ツアーの活用事例
生活価値体験ツアーでは、農作業や自然環境の整備など、地域の日常に触れることで、都市における生活では味わえない非日常的な体験をすることが可能です。体験を通じて地域の人々との交流が生まれ、地域の人や産業・産品への興味を深める機会となります。
ここでは、生活価値体験ツアーの活用事例をピックアップしてご紹介します。
静岡県森町|栗園の収穫作業・いが剥がし作業体験
静岡県森町の中山間地域にある栗園にて、栗の収穫作業や、“いが”を剥がす体験ができるツアーを開催しました。作業の後には、「地元食材を使った飯ごう炊飯」や「栗蒸し羊羹の食べ比べ」を行い、さらに地場産品の買い物や小國神社への立ち寄りなど、森町ならではの魅力を満喫できる行程となっています。
2025年9月27日の開催では、県内外から10組19名が参加し、豊かな自然と地域の方々との交流を深めるひとときを過ごしました。ツアーの詳しい内容と体験レポートはこちらをご覧ください。
生活価値体験ツアー特設サイト
●PR【生活価値体験ツアー in 森町】栗の収穫&いが剝がし体験(9/27)
●PR【静岡県森町】9/27開催ツアー体験レポート
富山県富山市|耕作放棄地を活用した農作業体験
富山市山田谷地域では、かつては串柿や干し柿が盛んに行われていたものの、現在は生産需要が減少し、放任された柿の木の獣害被害が発生していました。
このような耕作放棄地を活用した農作業体験や、地元の猟師が振る舞う熊鍋料理を食す体験のツアーを行いました。また、柿や野菜の収穫、干し柿づくり、獣害対策の電柵外しなど、地域ならではの暮らしと魅力をリアルに体験してもらえます。
静岡県河津町|豊かな自然の中でわさび田の環境整備
静岡県河津町で開催されたのは、200年にわたり受け継がれてきた「わさび田の環境整備」を体験できるツアーです。河津町役場が主催し、地元のわさび農家が提供するわさび田にて、参加者は地域の人々と交流しながら、雑草の撤去や苔取りといったわさび田の手入れ作業を体験しました。
豊かな自然の中での農作業を通じ、河津町ならではの魅力を体感できる内容となっています。実施後のアンケートでは、参加者全員が「河津町に再訪したい」と回答しており、地域への関心を高める貴重な機会となりました。
関係人口の拡大が地域の未来をつくる
地方では人口減少と担い手不足が進むなか、地域外の人々との新たなつながりづくりが重要な課題となっています。「関係人口」の拡大は、地域に多様な人材や新しい視点をもたらし、地域課題の解決や産業創出の原動力となるでしょう。「二地域居住」や「体験型交流」といった柔軟な暮らし方や関わり方が、地域の持続的発展を支える基盤となります。
関係人口拡大を推進するためには、自治体・企業・住民が連携し、関係人口を受け入れる仕組みや交流の場を整えることが不可欠です。地域に関わる人の輪が広がることで、地域の魅力が再発見され、次世代へと続く豊かな地域社会の構築につながります。
TOPPANでは、関係人口拡大に関する施策の企画・広報を支援しています。取り組みにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


移住・定住支援サービス「ピタマチ®」
「暮らし」を軸に、移住・定住希望者の理想を言語化し、地域PRと移住・定住促進ができるWEBサービスです。移住・定住施策の促進を支援いたします。 関係人口増につながる情報発信にもピッタリです。

関係人口ポータルサイト構築サービス
「地域の魅力」「観光情報」などの各種地域情報や、「地域特産品の販売」 「ふるさと納税の受付」などの各種地域サービスをすべて一つにまとめたポータルサイトを構築します。

地域ファンサービスプラットフォーム構築・運営支援
地域の魅力的なコンテンツを開発し、地域のファンを開拓・育成し、継続的なビジネスにつなげるプラットフォームです。
魅力的な地域のコンテンツ開発から、さまざまなサービスを提供するためのシステムの構築・運用までをワンストップでサポートします。














